2012年10月10日

山中伸弥教授,ノーベル医学・生理学賞の受賞,おめでとうございます.

領土問題で日本中が鬱になっている最中に,超ビッグな目出度いニュースが飛び込んできた.しばし,日本人の優秀さに誇りを感じるとともに,ハイな気分のうちに,教授の作り出した iPS 細胞を学んでおきたくなった.


1) 受精卵は 全ての遺伝子からなる DNA を含み,どの遺伝子も働きうる.受精卵が分裂を繰り返して,種々の細胞に分化して行くと,各組織(皮膚,神経,各臓器など)の細胞の遺伝子は(受精卵のものと同じだが)その組織に見合った遺伝子だけが機能するようになる.遺伝子の機能が失われるとはどういうことか.DNA には各遺伝子の働きを制御する部分(プロモーター)があって,その部分にメチル基(-CH3)が付く(=メチル化)と,ちょうど鍵を掛けたように,その遺伝子が働かなくなる.受精卵に戻すには全部の鍵を外せ(=メチル基を取り除け)ばよい.

2) 鍵を外すにはどうするか.遺伝子を分化した細胞に入れてやればよいことがわかった.遺伝子の種類は何万もある.どの遺伝子(達)か.山中教授は24種類の遺伝子に見当を付けた(ここが教授の凄いところ!).それらの遺伝子全部を皮膚の細胞に入れると,殆どの鍵が外れて,(受精卵に近い性質を持ち)どんな組織細胞にも分化できる細胞= iPS 細胞ができた.
(2012/10/15 追記: どの遺伝子も働きうる受精卵は卵子と精子が受精してできるが,卵子も精子も高度に分化し,遺伝子には鍵が掛かっている.受精の際の数時間に遺伝子に掛かった鍵は全て外れ,全ての遺伝子は働ける状態に戻る.これをゲノムの初期化という.).

3) 24種類の遺伝子の中,本当に必要なものは何種類か.どうやって調べるか.貴方ならどうする? 答えは コメント欄に載せます.
ラベル:iPS 細胞
posted by TaD at 23:11| Comment(1) | TrackBack(0) | 教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
答え:必要な遺伝子の全種類が細胞に入ってないと,iPS 細胞になりません.24種類から1種類を抜いた23種類を入れたとき,抜いた1種類が必須であれば,iPS 細胞になりません.よって,1種類ずつ抜いた実験を繰り返せばよい.こうして,わずか4種類の遺伝子で十分であることが証明された.
Posted by TaD at 2012年10月10日 23:13
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